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論文

ポータブル蛍光エックス線分析装置による津波堆積物の簡易判別手法の検討; 静岡平野から採取したボーリングコア試料への適用

渡邊 隆広; 山本 悠介; 北村 晃寿*

地学雑誌, 132(5), p.417 - 437, 2023/10

津波堆積物の簡易的な判別手法を検討するため、ポータブルXRFを用いて静岡平野の堆積物試料中の主成分および微量成分の定量分析を新たに実施した。本研究では、静岡平野で採取された6本のボーリングコア試料(各試料長さ約8m)および同地域の砂浜表層試料の定量分析を行った。得られたデータから約1000年前,約3500年前および約4000年前の津波堆積物の地球化学的な特徴について検討した。ポータブルXRFによる定量分析結果の大部分は従来法による既報値とよく一致した。したがって、本手法は静岡平野の堆積物試料にも適用可能であることが示された。

論文

LA-ICPMS U-Pb dating of zircon in paleotsunami deposits from Miyazaki plain, southwest Japan

渡邊 隆広; 鏡味 沙耶; 横山 立憲; 丹羽 正和

地学雑誌, 132(4), p.353 - 361, 2023/08

地層中の津波堆積物の分布を明らかにすることにより、過去の津波浸水域を推定し沿岸域の防災に貢献できると期待されている。しかし、地層中の津波堆積物と、洪水・高潮などの他のイベント堆積物との判別は容易ではなく、新たな判別手法の開発や改良が求められている。これまでに、西南日本の宮崎平野では西暦1662年の寛文日向灘地震・津波により発生した津波堆積物が発見されている。本研究では宮崎平野の津波堆積物に含まれる重鉱物ジルコンに注目し、新たな情報を得るため、東濃地科学センターに設置されているレーザーアブレーションICP質量分析装置を用いてジルコンのU-Pb年代測定を行った。年代測定の結果、約14Maから約2405Maの値が得られ、主に約100Maと約2000Maに年代値が集約する傾向が見られた。本研究により、ジルコンの年代値をもとに津波堆積物を構成する成分の供給源や堆積過程の推定につながる可能性が示された。

論文

北部北上山地,下部白亜系原地山層の流紋岩および凝灰岩のジルコンU-Pb-Hf同位体と全岩化学組成

原田 拓也*; 長田 充弘; 小北 康弘; 鏡味 沙耶; 横山 立憲

地学雑誌, 132(1), p.57 - 65, 2023/02

北部北上山地に分布する白亜紀火山岩類の原地山層の形成年代の制約と起源マグマについて検討するため、全岩化学組成、ジルコンのU-Pb年代、およびHf同位体比を測定した。分析に用いた2試料は、非アダカイト(島弧起源)の流紋岩質岩を示し、小本地区の流紋岩からは127.8$$pm$$3.4Ma、机地区の流紋岩質凝灰岩からは129.2$$pm$$2.6MaのU-Pb年代を得た。また、両試料のジルコンの$$varepsilon$$Hf(t)値は、5.0から8.7の範囲である。これらの結果は、先行研究の北上花崗岩類のデータと類似しており、両者が同質同時代のマグマを起源としたことが示唆される。

論文

低温領域の熱年代学の原理と地殻浅部のテクトニクスへの応用

末岡 茂; 田上 高広*

地学雑誌, 128(5), p.707 - 730, 2019/10

熱年代学は熱による放射年代の若返りを利用して、試料の熱史を推定する学問領域であり、世界各地において隆起・削剥史の解明に用いられてきた。本稿では、前半部では熱年代学の原理についてレビューする。すなわち、代表的な熱年代学的手法、熱アニーリングの数学的モデル、閉鎖温度やpartial annealing zoneの概念、熱史の逆解析手法などについて紹介する。後半部では、テクトニクスへの応用と題して、隆起・削剥に係る用語の整理、年代から冷却史や削剥史を復元する手法、主要な応用事例などについて述べる。

論文

江若花崗岩の形成年代と冷却史

末岡 茂; 島田 耕史; 石丸 恒存; 檀原 徹*; 岩野 英樹*; 八木 公史*

地学雑誌, 127(6), p.795 - 803, 2018/12

江若花崗岩の敦賀岩体と江若岩体にて、ジルコンU-Pb年代測定、ジルコンフィッション・トラック(FT)解析、アパタイトFT解析を実施した。ジルコンU-Pb年代は、いずれの岩体でも69.2-68.0Maと高い再現性を示し、両岩体がほぼ同時期に形成されたことを示唆した。ジルコンFT年代は59.6-53.0Maとややばらついたが、FT長解析では急冷傾向が推定されること、概して岩体の中心部に向かって若い年代が得られることから、岩体定置後の冷却過程を反映していると考えられる。アパタイトFTは44.8-20.9Maと大きくばらついたが、FT長解析の結果を踏まえると、敦賀岩体は長期間の削剥、江若岩体は漸新世から中新世の火成活動による再加熱を被っている可能性がある。敦賀岩体中の玄武岩岩脈についてもK-Ar年代測定を実施したところ、既報値より約1Ma古い値を示し、同岩脈を形成した火成活動が100万年程度継続した可能性を示唆した。

論文

パミールにおける新生代の地質構造発達史に関する最近の研究

小松 哲也

地学雑誌, 125(5), p.661 - 698, 2016/10

パミールは中央アジアに位置し、ヒマラヤ-チベット山塊の西端を占める。本総説では、パミールにおける地質構造発達史に関する以下の知見を紹介する。(1)パミールの範囲,気候,地形、(2)パミールの地質構造発達史の理解において鍵となる「テレーンとその成り立ち」、「変成岩ドーム」、「火山活動とアルカリ深成岩の貫入」、「断層とその活動史」、(3)「パミールを含めたヒマラヤ-チベット山塊の沈み込み帯」と「パミールの現在の地殻変形」、(4)パミールにおける新生代の地質構造発達史とそれに係るいくつかのトピック、(5)パミールを対象としたテクトニクス研究についての展望

論文

複数の熱年代学的手法に基づいた江若花崗岩敦賀岩体の冷却・削剥史

末岡 茂; 梅田 浩司; 安江 健一; 丹羽 正和; 島田 耕史; 石丸 恒存; 檀原 徹*; 岩野 英樹*; 八木 公史*

地学雑誌, 125(2), p.201 - 219, 2016/04

本研究では、敦賀半島に分布する江若花崗岩敦賀岩体を対象に、複数の熱年代学的手法を用いて、冷却史と削剥史の検討を行った。その結果、江若花崗岩敦賀岩体は、(1)約68Maに深度4-5kmの浅所に形成され、(2)その後の数100万年以内に、熱伝導によって約200$$^{circ}$$Cまで急冷され、(3)古第三紀初頭以降の数1000万年間にわたる準平原化作用による徐冷を経て現在の地表温度に至った、という冷却史・削剥史が推定された。上記のような冷却史・削剥史は、敦賀半島に分布する断層破砕帯が主に比較的低温で形成されるカタクレーサイトや断層ガウジからなること、敦賀半島の周辺地域でも熱年代学的手法によって新生代を通じた徐冷が推定されていること、侵食小起伏面の分布高度から推定される敦賀半島の最近数100万年間の削剥量が数100m以内であること、などと整合的である。

論文

Stratigraphy and AMS radiocarbon dates of cored sediments (IrBH-2) from the Irosin Caldera, the Philippines

Mirabueno, M. H. T.*; 鳥井 真之*; Laguerta, E. P.*; Delos Reyes, P. J.*; 藤木 利之*; Bariso, E. B.*; 奥野 充*; 中村 俊夫*; 檀原 徹*; 國分 陽子; et al.

地学雑誌, 123(5), p.751 - 760, 2014/10

フィリピン、イロシンカルデラ内のIRBH-2で、深度50mのコア試料を0.5mごとに採取して記載した。泥炭質堆積物(深度約7$$sim$$10m)から植物片の放射性炭素年代をAMS法により1.1$$sim$$1.8kBPを得た。コア試料中では、ラハールと河川堆積物が多く認められた。深度12mまでは、安山岩質の河川堆積物と少量のラハールからなる。深度20$$sim$$50mの間に、8枚の降下テフラが挟まっている。テフラの屈折率測定から、後カルデラ火山の活動は、安山岩質$$sim$$デイサイト質が主で、流紋岩質の噴火が少量起こったことが示された。流紋岩質テフラとイロシン火砕流の岩石記載学的特徴の類似性は、後カルデラ火山の活動期でも、イロシンカルデラ起源のマグマの噴火がおこったことを示す。上位の火山性堆積物は、得られた放射性炭素年代もあわせて考慮すると、ブルサン火山複合体で唯一活動的であるブルサン火山からもたらされたものと考えられる。

論文

地殻変動の一様継続性と将来予測; 地層処分の安全評価の視点から

梅田 浩司; 谷川 晋一; 安江 健一

地学雑誌, 122(3), p.385 - 397, 2013/07

地層処分の安全評価では、評価期間が長期になるにつれて地質学的現象といった外的要因の発生に伴い不確実性が増大する。そのため、評価期間の設定に際しては、これらの外的要因の予測の信頼性をあらかじめ検討しておくことが不可欠である(総合資源エネルギー調査会、2003)。地層処分で考慮すべき地質学的現象のように変化が遅く、永続性がある現象には、外挿法による長期的な予測が有効と考えられている。外挿法による予測が可能な期間については、過去から現在までの変動傾向や速度がどの程度継続していたかを把握することが重要となるが、これまでに得られているさまざまな地形・地質学的情報によると、日本列島の多くの地域ではおおむね中期更新世以降と考えられている。外挿法のような時系列解析モデルを用いた予測では、一般に過去の期間(N)に成り立っていた関係性(定常性)は、0.1N$$sim$$0.2N程度であればそれが継続する確率が高いと考えられている。そのため、地質学的現象について信頼性の高い予測が行える期間は、将来10万年程度と考えるのが妥当である。

論文

地球統計学的手法による亀裂性花崗岩体の3次元透水係数モデリングと広域地下水流動解析への応用

久保 大樹*; 小池 克明*; Liu, C.*; 栗原 新*; 松岡 稔幸

地学雑誌, 122(1), p.139 - 158, 2013/03

広範囲の水理地質構造を明らかにするためには、調査によって得られた限られた情報を3次元的に拡張し、複数の情報を有機的に統合するための空間モデリング法が必要である。本研究では、地下水流動の支配要因である亀裂と透水係数の空間分布について、地球統計学を応用した推定手法を考案し、花崗岩体深部の水理構造の把握を試みた。作成した透水性分布モデルを用いた地下水流動シミュレーションの結果が、既往の調査結果と整合したことから、モデリング手法の妥当性が確認された。また同シミュレーションにより、対象地域において主要な地下水の流出域や、断層深部を通過する地下水の流れの存在が示唆されるなど、新たな知見を得ることができた。

論文

北海道北部、幌延地域に分布する新第三紀堆積岩中の炭化水素ガスの分子組成と炭素同位体組成

舟木 泰智; 石山 宏二*; 早稲田 周*; 加藤 進*; 渡辺 邦夫*

地学雑誌, 121(6), p.929 - 945, 2012/12

炭化水素ガスの分子組成と炭素同位体組成は、その生成,移動,集積に関する情報を持っている。そのため、これらは堆積岩の透過性を評価するための指標となることが期待される。本研究では、北海道北部の幌延地域に分布する新第三紀の堆積岩の透気特性を把握するために、ボーリングコアを用いたヘッドスペースガス分析を実施した。その結果、以下のような知見が得られた。(1)炭化水素ガスは、二酸化炭素還元反応などのメタンの生成反応と嫌気的メタン酸化反応といった堆積時から現在までの微生物の活動に伴う同位体分別によってもたらされた可能性が示唆される。(2)隆起・侵食時以降に高透水性の断層が発達し、開放的な環境が形成された可能性がある断層の近傍層準では、微生物起源の炭化水素ガスが移動,放出することに伴う同位体分別が生じた可能性も示唆される。(3)ヘッドスペース法による炭化水素ガスの分析は、調査地域の水理地質特性の変遷と併せた検討を通じて、地層の長期閉じ込め性評価のための指標となり得る可能性が期待できる。

論文

北海道幌延地域における深部地球化学環境の長期変遷シナリオの構築

岩月 輝希; 石井 英一; 新里 忠史

地学雑誌, 118(4), p.700 - 716, 2009/00

深部地球化学環境の長期変遷解析手法を構築するため、北海道幌延地域を対象として地質現象と地球化学環境との関連を整理したうえで、深度約500mの地球化学環境の長期変遷について考察した。その結果、同深度においては微生物活動による局所的酸性化や還元作用,炭酸塩鉱物の溶解・沈殿反応などにより、中性・還元環境が長期的に維持されてきたと考えられた。また、この過程で、地球化学環境にかかわる重要な現象,プロセスの抽出方法とその将来変遷にかかわる解析手順を整理できた。(1)対象領域の水理地質特性の形成にかかわる現象の整理,(2)水理地質特性の分布,変遷過程に基づく領域(サブシステム)区分,(3)サブシステムごと,時間スケールごとに地球化学環境にかかわる重要な現象,主要プロセスの抽出,(4)抽出された現象,主要プロセスに基づき過去から現在までの地球化学環境の変動幅の推測,(5)過去から現在までの主要プロセスとサブシステムの将来変化に基づいて、将来の地球化学環境の変動幅の推測。今後、人為的擾乱(地下施設建設)により形成される新規のサブシステムの性状や分布、それに対する既存のサブシステムの安定性(頑健性)にかかわる調査研究を行っていく。

論文

ボーリングコア解析と$$^{14}$$C年代測定に基づく木曽川デルタの形成プロセス

大上 隆史*; 須貝 俊彦*; 藤原 治*; 山口 正秋*; 笹尾 英嗣

地学雑誌, 118(4), p.665 - 685, 2009/00

隆起・侵食は処分場の深度を減少させ、地下水流動系の変化を引き起こす可能性があるため、地層処分の長期安全性を評価するうえで考慮すべき重要な地質学的事象である。侵食量については、河川上流域の比較的狭い範囲を対象としてはダムの堆砂量を利用して見積もられているが、下流域から上流域までを含む広い範囲を対象としては行われていない。このような広い範囲を対象とする場合、侵食された土砂は河口付近の平野に堆積するため、そこでの堆積量を見積もることにより、侵食量を推定することができる。しかし、海岸沿いの平野は海水準変動の影響を強く受けるため、その形成プロセスは複雑である。そこで、海水準変動の影響を受けて形成された平野の事例として、濃尾平野の形成プロセスを検討した。具体的には、海岸からの距離が異なる複数のボーリングコアを用いて、堆積物の堆積相解析によって濃尾平野の地形地質断面を作成するとともに、多数の放射性炭素年代によって等時間面を求めた。この結果、海水準の上昇に伴って内湾が拡大したのに対し、海水準の下降に伴ってデルタが前進したことが明らかになるとともに、内湾の拡大速度とデルタの前進速度が示された。

論文

横手盆地東縁断層帯の後期鮮新統$$sim$$更新統のフィッション・トラック年代

小坂 英輝*; 楮原 京子; 三輪 敦志*; 今泉 俊文*; 黒澤 英樹; 野原 壯

地学雑誌, 117(5), p.851 - 862, 2008/10

奥羽脊梁山脈及びその周辺に分布する後期鮮新世以降の地層は、東北日本の短縮変形ステージに属し、奥羽脊梁山脈周辺の断層褶曲帯の発達に伴い堆積したものと考えられる。奥羽脊梁山脈西縁を限る断層褶曲帯及び周辺の地質構造の発達過程を明らかにするために、奥羽脊梁山脈西縁に分布する後期鮮新統$$sim$$更新統(田沢層・栗沢層・千屋層)において露頭観察と地層中に挟在する酸性火山岩5試料のFT年代測定を行った。その結果、本断層褶曲帯の活動変遷に関連する地層の年代として、2.7$$pm$$0.4$$sim$$0.93$$pm$$0.14Maが得られた。また層相の特徴を踏まえると、本地域で酸性火山活動のあった1Ma以前に断層活動に伴う地形変化が生じた可能性が高い。

論文

横手盆地東縁断層帯・千屋断層の形成過程と千屋丘陵の活構造

楮原 京子*; 今泉 俊文*; 宮内 崇裕*; 佐藤 比呂志*; 内田 拓馬*; 越後 智雄*; 石山 達也*; 松多 信尚*; 岡田 真介*; 池田 安隆*; et al.

地学雑誌, 115(6), p.691 - 714, 2006/12

過去数万年$$sim$$数百万年の逆断層の活動性を明らかにするため、横手盆地東縁活断層帯が分布する千屋丘陵と地質構造の発達過程の研究を実施した。浅層反射法地震探査,詳細な地形調査,地質調査及び総括的なバランス断面法の解析により、千屋丘陵とそれを形成した断層の構造及びそれらの発達過程が明らかになった。地質調査では、継続的な断層活動の開始時期が2.7Maより後と推定され、総合的なバランス断面解析の結果は、前縁断層の形成開始時期が千屋丘陵北部より中部のほうが早いことを示唆した。また、地形調査の結果、千屋丘陵の形成時期はその中央部で最も早く(0.35Ma以降)、その後丘陵は断層活動に伴って隆起し、東に傾動しながら拡大したと推定される。

論文

非アスペリティのマッピングから地殻内部の常時監視へ

鶴我 佳代子; 笠原 順三; 三ケ田 均*; 山岡 耕春; 藤井 直之

地学雑誌, 115(1), p.51 - 71, 2006/02

本論文は、巨大地震が発生する沈み込みプレート境界における地震発生場をより詳細に知るための考え「アスペリティのマッピングとモニタリング」(Exploration of Asperities-Reflectors System, EARS)を提案する。最近の研究成果から、プレート境界には、地震発生時に大部分の地震モーメントを開放するような固着度の大きい領域(アスペリティ、asperity)と、プレート間で数日$$sim$$数年以上で変位し、短周期の地震波動が放出するひずみエネルギーに相当あるいはそれ以上のひずみエネルギーを放出するような比較的固着度の低い領域(本論文では「非アスペリティ(non-asperity)」と呼ぶ)があることがわかってきた。ここでは、非アスペリティでのすべりの加速がそれと隣接するアスペリティのすべりを引き起こし、巨大地震の発生に関与するという考えに基づいて論旨を進める。すなわち地殻構造とプレート境界からの反射波の反射強度とその空間分布を調査することで、非アスペリティの物性と広がりをマッピングし、間接的にアスペリティの分布を知ることにつながると考える。さらに、弾性波アクロスなどの能動監視システムにより、ターゲット領域からの地震波の反射強度の時間変化を常時監視(モニター)することの重要性と、海域のプレート境界の監視海底ケーブル式地震計の将来性について述べる。

論文

第1回「地殻の能動監視に関する国際ワークショップ」開催報告

鶴我 佳代子; 小川 克郎*; 長尾 大道; 羽佐田 葉子; 藤井 直之*; 笠原 順三; 熊澤 峰夫

地学雑誌, 114(4), p.659 - 664, 2005/04

第1回「地殻の能動監視に関する国際ワークショップ」(IWAM04)を、2004年6月30日$$sim$$7月2日、瑞浪市総合文化センターにおいて開催した。IWAM04は、IASPEIに新設されたTGAM(代表:熊澤峰夫・名大名誉教授)および国内のJCEAM(代表:東原紘道・東大名誉教授)が主催し、名古屋大学および東京大学地震研究所が共催した。本研究助成報告では、地球の能動監視研究の必要性や背景および国際ワークショップ開催の経緯を述べ、ワークショップの概要や今後の研究展望について報告する。

論文

自然から学ぶ高レベル放射性廃棄物処分の智恵 -ナチュラルアナログ研究のすすめ-

湯佐 泰久

地学雑誌, 109(5), p.805 - 808, 2001/00

高レベル放射性廃棄物地層処分研究開発の有力な方法のひとつとしてナチュラルアナログ研究がある。その研究の現状・意義について説明した。

論文

房総半島九十九里浜平野の海浜堆積物から求めた過去6000年間の相対的海水準変動と地震隆起

藤原 治; 酒井 哲弥*; 荒谷 忠*

地学雑誌, 110(5), p.650 - 664, 2001/00

過去の海水準の変化や地殻変動を地層から読み出す手法を、千葉県の九十九里浜を事例に研究した。研究には九十九里浜を海-陸方向に横断する側線に沿って掘削した19本のコアを用いた。過去の海岸線がどの位置と高さにあったかを、コアに見られる海浜堆積物を指標にして求めた。海浜堆積物は波打ち際で寄せ波や引き波の作用で形成された地層で、堆積相解析という手法で識別した。また、海浜堆積物の年代を貝殻の14C年代から決定した。海浜堆積物の高度の年代にそった変化を調べることで、過去6000年間の海面変化を明らかにした。堆積物から直接海面高度と年代を推定するこの方法は、従来の地形に基づく海面高度の推定法よりも分解能が高い。九十九里浜における海面変化は、世界的な海面変化とこの地域の地殻変動が合わさった相対的なものである。九十九里浜の海面変化から、地殻変動が殆ど無い東京湾奥で求められた海面変化を差し引くことにより、

論文

河岸段丘から推定した河床高度変化の歴史

高木 俊男; 柳田 誠*; 藤原 治; 小澤 昭男*

地学雑誌, 109(3), p.366 - 382, 2000/00

河川の下刻量予測を行うためには、その下刻・埋積のプロセスを把握し、規則性を抽出する必要がある。このため、関東・中部の4河川の中流域に分布する河岸段丘を調査した。調査河川では、氷期に0.2$$sim$$0.7m/1000年程度でゆっくりと河床が上昇し、間氷期には2$$sim$$7m/1000年の速度で急激に下刻する振幅を繰り返して現在に至った事が判明した。また、堆積段丘面どうしの高度および埋没谷底どうしの高度を結んだ直線はほぼ平行であり、河床が下刻・埋積を繰り返しながら2本の直線間を推移して現河床高度に至ったことが読みとれた。これらの直線の傾きがほぼ等しいことから隆起速度$$doteq$$長期間の平均的な下刻速度という関係が判明した。これらの直線は将来に延長することにより、下刻量が予測可能となる。

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